初めてゴルフ漫画の依頼を受けた時、親父がゴルフをしていた事を思い出しました。
母に電話をすると、とても喜んでくれ、親父が使っていたクラブを一式送って
くれました。
そのクラブから私のゴルフ人生が始まりました。
亡くなった父のクラブを使える事がとても嬉しく思え、大切に、大切に使っていました。
ダンロップのパーシモンヘッドに、ブラックシャフトを差してある1W・4W・5W、の
セットでした。
アイアンはスポルディングで、同じくブラックシャフトが差してあるセットです。
今考えると随分高価なクラブだった様に思えます。
(ひょっとすると特注クラブだったのかも・・・)
当時のセットは、ウエッジの中に【 PS 】とか【 F 】や【 A 】は無く、
「ピッチングウエッジ」と「サンドウエッジ」の2本だけでした。
父が使っていた2本のウエッジのソールを見ると、かなり削れていて番手の文字が
消えていました。
後に、母から聞いた話では「土の上から打っていたので削れた」んだそうです。
当時、田舎の練習場では直に土の上からボールを打っていたそうです。
東京暮らしの私には経験のない事だったので、驚いたのを覚えています。
田舎から届いたクラブを抱え練習場に行き、早速ドライバーを握り目一杯打った球は
100Yも行かない内に右サイドのネットに「バシャッ」と、当たっていました。
記念すべき第一球は、「超ドスライス」でした。
ここから私のゴルフ人生が始まったのです。
この時のクラブは、全て手入れをして大切に保管してあります。
父の形見であり、私の宝ですから。
「ゴルフ人生始まりのクラブ 」 完。